
窓から仄かな明かりが差し込んで
ゆっくりと時が流れていく
外はシトシト雨が降って
道行く人の傘が 賑やかな花畑を創っている
外に目を奪われながら
心に沈んだ錘(おもり)が 胸の中にも雨を降らせている
向き合って座る人も無く たった独りの私
そんな私の心に差す傘はあるのだろうか
赤いパラソル それとも鮮やかな黄色がいいだろうか…
でも それは何処にあるのだろう
そんな心に差す傘を売っているお店なんかないだろうな…
春の花畑のような傘の群を見ていて ふと思い出した
記憶の中から浮かび上がった あの人
どしゃぶりの雨の中で佇んでいた時
優しく傘を差し掛けてくれたっけ
思い出したその刹那 あっと声が出て思わず腰を浮せていた
心の傘は 温もり 優しさ 愛でしか得られない…
重かった胸が少し軽くなったような気がする
さあ 雨の中に飛び出していこう
あの傘の群の中に
きっと 私を待っていてくれている人がいるから…
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