南北相法・水野南北居士(康秀編)
鼻について
鼻は中央に位置する君主である。故に自分の体を司る。
鼻が低い人。中央の君の位が低いのと同義であり、心も低い。自尊の念も乏しく下位に甘んじる人である。愛嬌があって誰からも好かれるが権威性が無く、心も小さい。貴人に鼻の低い人は少ない。もし貴人でありながら鼻が低ければ、おのずからその心が狭量で下賎のため、地位を全うする事が出来ないものである。
鼻が痩せている人は、その身体も豊かでなく、大業を達成できない。苦労も多い。
鼻が豊かで長く見える人。必ず身分相応の福運に恵まれ、又心が豊かなので、ゆったりとして人生を送り長命である。徳もあり、人の世話もよくする人である。
鼻が短く見える人。短気で小事に拘り、身分も上がらず、こせこせして生きる人である。短命となりやすい。
鼻に欠けたところのある人。必ずその身分に欠けたところがある。又、子孫に恵まれない。
鼻が小さいのは、低いのと同じく、心が小さく志しも低い。苦労多く報われる事が少ない。
鼻が顔に応じて肉付き豊かな人。運が強く相応の福運に恵まれる。
鼻が高くて、肉付きが薄く鋭く見える人。計画した事が思うように運ばない事が多い。子供やその他肉親縁が薄い。
鼻が痩せて骨が見え先の尖っている人。親の家を継がず、その家を乱す。又気位が高く高慢な人間で我が身を苦しめることが多い。又、鼻が小さく肉薄く先の尖っている人は子に縁薄く苦労が多い。
鼻の先が俯く人。物を粗末にする事無く始末が良い。したがって天の理に適って一生食べる事に困らない。しかし内面は心賎しく、吝嗇(ケチ)であり、人望に欠ける。
鼻に皺のような縦筋の多くある人。苦労多く、子縁が薄く、身分の安定が遅い。
鼻が格別に大きく高い人。妻子の縁が薄い。子があっても折り合いが悪く頼りにならない。又一生に一度は大きな破綻に遭遇する。鼻が高くて顔の周辺の肉が薄くそげた感じのする人。気位が高く、排他的であり、人に嫌われる。妻子の縁も薄い。妻縁は一度では納まらない。
小鼻がそびえている人。運勢が強く、危難に遭遇しても逃れ得る事が多く、たとえ落ち目になっても人から助けられる。貧しくなっても決して極貧にはならず分相応の福運に恵まれる。
小鼻がないような人。運勢が弱く孤独であり、身内からの恩恵にあずかれず寂しく暮らす人である。子縁も薄い。
小鼻が目立つ人は、衣服を好みシャレ者である。衣装持ち
である。小鼻が無いような人は、衣服を好まずシャレッ気がない。いつも簡素な服装で平気である。
鼻が豊かで長く見え、小鼻にも相応の肉付きがある人。加えて傷、黒子(ほくろ)も無く見事に整っている場合は、おのずから人に用いられ大業を達成する人であり、家内に憂い、災いが少なく必ず家を起こす相である。鼻は己の身体である。鼻の肉は自分の身体の福分であるから、その肉が豊かなのは身体が豊かで強健であり、福運に恵まれるのである。又鼻は中央の君主である。傷や黒子もなく立派であれば、君主として人から重用されるし、災い(傷)もなく長命なのである。
鼻の中程に横筋のある人。一生のうちに大きな破綻を起こし落ち目となる。ただし、この横筋は自然に出来たものを言う。洟をかんでいつも上に上げる人はこの筋が出来てしまうので注意。
鼻が仰向いていて、穴が見えるような人。必ず上に背く。又、郷里を離れて暮らす人である。散財が多い。鼻の穴が大きすぎる人は、気が洩れるため短命となるし、財も散じる。
鼻が豊かで鼻筋の通っている人。貴人や目上の人と近づきになるのが早い。又引き立てを受ける。下位にいる事は少ない。しかし、顔に愛嬌が無ければ、この限りではない。かえって疎んじられる事になる。
獅子鼻のように鼻先だけ高くそびえている人。きわめて運勢が強い。分相応以上に福運に恵まれる。善にも悪にも強い心の持ち主である。
鏡と睨めっこして、鼻と対面してみよう。立派過ぎる人は、鼻っ柱を折られないようきをつけましょう。
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