クリスタルのように 磨かれた水晶のように 春は新緑の華やぎを映し 夏は陽のきらめきを反射し 秋は紅葉の一枚一枚を受け止め 冬には淵まで積もる雪に染まる そしてまた春が来て 雪解けの水が溶け込んでいく そんな透き通った 湖の水だったのに・・・ 住み着く生き物たちが 自由に動き回り 水草たちが心地よさそうに 揺らぎ戯れていた そんな青緑の湖水だったのに いつしか湖底に泥が滞積し 倒木が横たわり 生き物たちが苦しそうに喘ぐ 水草は色を変え 枯葉や転げ落ちた塵埃にまみれ 黄褐色に濁った湖水は もう季節を映すこともない 気づかぬうちに 時が流れるうちに 汚し濁らせてしまった もう還らない湖の澄んだ水 産声を上げたとき 確かに透き通った湖だった 汚れない心底湖だった いつしか年を経るごとに 汚濁の色に変え 弾む生き物たちを 弱らせたのはあなた あの澄んだ水に戻すのは・・・ 心を素にしたあなたしかいない 泥をすくいゴミを拾い集め 元の湖水に戻せるのは あなたしかいない
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