「獅子を飼う」-利休と秀吉ー池袋サンシャイン劇場
山崎正和作・栗山民也演出
秀吉(坂東三津五郎)・利休(平幹二朗)・ねね(平淑恵)
秀長(高橋長英)他
迫り出し舞台。秀吉と利休の求め合い背き合う心理葛藤劇。最後は利休が死を賭して闘う場面となり、熾烈な両者の心理追い込みの言葉合戦となる。演者それぞれが闘う台詞バトルであり、皆、長台詞を渾身こめて吐き出す壮絶な舞台であった。
秀吉と利休の闘いならず、平幹と坂東との芸戦である。両雄の対峙する、激しい心の刃を突きつけられる迫真の舞台で、もうヘロヘロになってしまった。なんと席が一番前のど真ん中となり、平幹が、坂東が、ほんの1メートルちょっと先でぎらつく眼で、長台詞を吐き出す。こちらは唾を掛けられながら聞き入る羽目となる。いや、この情況は一体なんだ?というやばい観劇であった。もう少し俯瞰できる席なら良かったと思えるほどの緊迫のシーンの連続。
日本の時代物ながら、舞台構成はギリシャ悲劇風。新劇の王道を行く演出である。舞台装置もほとんど無く、演者の動きと台詞回しで引っ張っていく。久々に演劇の究極の醍醐味の世界に取り囲まれ、逃げ出す訳にもいかぬ舞台地獄であった。アハハ
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