

筮竹・算木
心を鎮めて 易神に問う
占術の極まる所 占う事を一心に念じて 卦を立てる
八卦とは
乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤
八×八・・・六十四卦
さらに一卦に六爻あり64×6=384の意がある
易占いは未来を先見する。即ち確定した将来の事実がある事を告げる。その上で、情況を分析して対応の指示を与えるのである。易占いには四つの段階がある。問筮(筮とは卦を立てる道具)・得卦(卦が立てられる)・占考(卦の意味する所を吟味する)・行動(対処法を講じる)。
易占は予言にあらず。即ち宿命論的に現象を定義したり結果を断定してしまうものではない。
易には「変」があり、変というのは偶然性に立つものであり、この変があれば吉凶が一義的に定まるという事が無くなるのである。占考の領域で、吉変じて凶・凶変じて吉となるのである。事の吉凶はその対処対応にあり、どうすれば良いのかという考察をする所に妙味がある。方途が発見されれば、それを問筮者に指示する。行為する事の方向性、実践的な行動領域が展開されるのである。事の成否吉凶が宿命ならば、指示を与える必要はない。しかし、人間のたどる所のものは予定された不可避の決定的な宿命ではなく、対応努力で変化させ得る所の「運命」なのである。即ち運ぶ命である。易占いには、このような実存的生命があるのである。
易は未来を先見する。即ち確定した将来の事実がある。それによって予測する。しかし人間の意志なり努力によって、将来の現象の結果が異なってくる。結果が違えば、その確定した未来の事実の否定となる。易占いは相反した性質を内包しているのである。この自己矛盾こそが人間自身の実存的性情とリンケージするのである。このような易占の実存的プロセスにおいて必然と偶然という二律背反の思考概念を駆使していくのである。
創造的な易占・生命の宿る易占
禍福未だ発せず猶(なお)化す可きなり。之に応ずるに徳を以てし又道を以てす。未発の地に立って徳を以てし道を以てする。即ち易法を以てする事であり、そこに新天自在の地が現れるであろう。
参考文献・・田中洗顕著「現代の易」
『易占い』 復刻転載