
目覚めても 頭は凍りついたまま
首を捻ると ギリギリと音がしそうなほどに
暗やんだ厳寒世界に佇んでいた
いつ明けるとも知れない暗黒の日を
幾つ重ねてきただろうか
『早起きドリ』の声を聞いても
心は真夜中のように漆黒の闇のまま
足元を照らす灯りもない
そんな月日を幾つ重ねてきただろうか…
でも
心の中に出来た氷柱(つらら)が溶け始め
滴り落ちる滴(しずく)の音が
ボトッ ポトッと聞こえてきたのは
『あの人』の声を聞いた時から
胸を揺らす声を耳にした時から…
やっと巡り会えた『あの人』
その日から 目覚めの『早起きドリ』の声が
明るく弾むように聞こえるようになった
心も身体も 温かな春の陽射しを浴びたように
生命の息吹きを取り戻すように ゆっくりと溶けだしてきた
トリの声に 「ありがとう」
そして 心から「おはよう」
『あの人』には
一緒に生きていきたい!
そう言ってみたい