身に起こる事は心の写し絵
何を求め何をしてどう生きたか?
自分の心がどう創られ、どう発展したか、日々の生活の中で自分の視座や価値意識がどう変化していったのか、一年の締めくくりをしてみる事をお勧めする。しかし、自分の心を見詰めるといっても、何を手掛かりにすればよいかという事になる。
何をしたのか? 自分の行動の軌跡を辿るのも良い方法である。
達成領域は手に入れたのか? いまだビジョンもないままなのか?などなど・・・。でも今ひとつ決め手に欠けるものである。
一番の方法は、関わった人々を考えてみる事である。他者との関係性は、自分を写し出す鏡や反射板のようなものだからである。
どんな人と出会い、関わり、何をしてきたのか、何を思いどう語り合ってきたのか? ポジティブであったのか、それともネガティブな思考の渦に入り込んだのか。関わった人々を想起してみれば、自分の在り様や考え方の方向性が解ってくるのである。自分の放つ波動が周囲に投影され、呼び寄せるように人間関係が創られていくのである。
中には、裏切りや虐めに合った人、立ち直れないほど傷つけられた人もあるだろう。辛い人間関係ににっちもさっちも行かない状況で、苦悶葛藤し、振り返るのもいやだ!という人も居るはずである。
だが、これも、人生の通過地点での「気づきの時」であり、たとえば、意地悪な目に合う情況が、自分自身が意地悪であったり、知らず人を傷つける波長をもっている事の逆投影の場面であったり、或いはかねてからの意地悪に対する防御姿勢の対応を学習させられる場面であったりするのである。
運命の転換期には、他者との関係性も大きく変化を見せるものである。新たな出会い、これまでとは違った情報に触れ、以前とは別の生き方を模索する事となる。対人関係の良し悪しは今後の人生行路の座標である。
これまでよりレベルが高いと思える人間関係だと、感じるならば、自分自身の価値観や、思考水準がアップした事になる。逆にレベルダウンと感じるならば、低波長であり、成り行き任せに生きている駄目な自分の証明である。
全く人と触れ合わなかったという、引きこもりの境涯の人もあるだろう。この人は残念ながら、思考の展開もなく行動もなく、心も凍結したままであり、生きている事にもならない。一人きりでは時が流れる事もなく人生模様が描かれる事がない。自分を確認するしようにも手立てがないのである。一日も早く他者との関係性を求めるべきである。
振り返って自分を総括し、どれだけ人から影響を受けたか、或いは、人にどれだけ影響を与えたか。結果としてどれだけの「絵」が描けたのかを吟味する事で、明日の自分のビジョンを創る手掛かりとなるのである。
関わる他者の目の中に人生が写し出される。「人の輪こそが運命の輪」なのである。さあ、どんな自分が総括されますか?
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