
生命巡らす 時の流れ 咲く儚さ 散る寂しさ
ひっそりとささやかに でも揺らぎのない想い
胸の内に静かに燃え立つ 愛の炎(ほむら)
解って貰えない 気付いてすら貰えない
あなたの視界に捕えられることもなく
寂しく 哀しく 散っていくのでしょう
存在を示すこともできない
そんな恋に・・・
あと僅かしかない身の上 辛すぎる 哀しすぎる
想いをつなぎ合わせることもなく
恋情を伝えるすべもなく
一人で燃え そして尽き果てる
でも・・・
残り火が今も心に燻っている
決してあなたが悟ることもなく・・・
そんな寂寥に溢れた恋情を見せられる事がある。
一人で胸の奥底にしまい込む事が出来ないほどに辛いのだろう。
こんな時代になっても、秘する愛に生きる人がいる。
しかも決して少なくない。これまで幾度となく立会っている。
打ち明ける勇気が無い。告白して拒絶されるのが怖い。
そう解釈するのが妥当なのだが・・・
本当の所その実態は、相手に悟られてしまっては成り立たない特殊愛
即ち恋に恋するのみの変形自己愛のケースが多いのである。
叶わないからこそ意味がある。
勝手に愛して、勝手に心を燃やし、一人悶どりうって
そして最後は失恋の寂寥に涙するのである。
そんな恋情を何度も何度も繰り返す。自虐性のナルシズムであろう。
結実する事の方が反って不幸なのである。
他者との深い関係性、情を交わす事の出来ない
哀しいほどに不毛の愛情観である。
これを『ひっそりとささやかにシンドローム』と名付ける。
読者の中に心当たりのある方は御用心。