

心が定まらない 何もかもが混沌として捉えどころがない
智恵が欲しい すべてを見通す眼と
真実を見極める思惟力が欲しい
なす術もなく茫然として虚空を見上げる
何も見つからず 何も見つけられず
ただどこまでも虚空が広がっている
…それでいい それだからいい
見つけ出す必要なんてない 何かを捕まえることもない
広大無辺の大宇宙 いっさいのものが何のさまたげもなく
あらゆるものが自由に存在し運動し変化機能する
虚空を仰ぎ 虚心坦懐して 何も追わず何にも囚われず
ただ思念の赴くままに佇んで居ればいい
いつしか天蓋が開き 神々しい光が降りてくるだろう
胸の奥底から込み上がるものがあるはず
光に導かれて心の内から溢れだす大いなる智恵
叡智と福徳を喚起する波動が虚空の彼方から
大空天空から無尽蔵に降ってくる
虚空蔵菩薩の叡智の降臨
『虚空蔵菩薩』
梵名:アーカーシャ・ガルバ 又はガガナ・ガンジャ
「虚空蔵」はアーカーシャ・ガルバ(虚空の母胎)の意の漢約で
「虚空蔵菩薩」とは、広大な宇宙のような
無限の智恵と慈悲を持った菩薩という意味です。
そのため智恵や知識、記憶といった面での
利益をもたらす菩薩として信仰されます。
真言:オン・バサラ アラタン ノウ オン タラクソワカ
又は「虚空蔵求聞持法」の修法…記憶力を増進させる修法
:ノウボウ アキャシャギャラバヤ オン アリキャマリボリ ソワカ
「虚空蔵求聞持法」…一定の作法に則って真言を
百日間かけて百万回唱えるというもので
これを修した行者は、あらゆる経典を記憶し
理解して忘れることがなくなるといいます。
空海が室戸岬の洞窟御厨人窟に籠もって
「虚空蔵求聞持法」を修したという伝説はよく知られており
日蓮も又、十二歳の時、佛道を志すにあたって
虚空蔵菩薩に二十一日間の祈願を行ったといいます。
又、京都嵐山の法輪寺では、十三歳になった少年少女が
虚空蔵菩薩に智恵を授かりに行く「十三詣り」という行事が行われています。
密教では、胎蔵曼荼羅の虚空蔵院の主導であり重要視されています。
(wikipedia参照)
収蔵:東京国立博物館・絹本著色掛軸装
法輪寺・立像 東大寺 広隆寺
仏画『虚空蔵菩薩像』 松井辰子先生謹筆