

永遠の闇を彷徨うような 混沌とした世情
心が曇り胸が塞がって 漆黒の時空に閉ざされている
出口が見えない 時代の光明を待って待ち続ける
衆生の苦しみを 神も佛も解っておられましょうか?
あまねく世界を照らす 偉大な光照者
今こそ 御姿を知らしめてくださいませ…
『大日如来様』
梵名:マハー・ヴァイローチャナ
密教において、宇宙そのものと一体と考えられる
汎神論的な如来(法身佛)の一尊。
その光明が遍(あまね)く照らすところから
『遍照』または『大日』と言われます。
像形は五佛を現した宝冠をつけ菩薩よりさらに
煌びやかな装身具を身に纏っておられます。
一般に如来は装身具を一切身につけない
薄衣の御姿で表現されますが
大日如来様は宇宙存在を装身具の如く
身に纏った者として特に王者の姿で表現されるのです。
背に負う光背は円く大きなもので日輪を表し
諸佛諸尊を統一する最高の地位を象徴するに
ふさわしい威厳に満ちた御姿です。
大日如来様は降臨する佛にはあらず
宇宙そのものの神格化された像形なのであり
一切のものは大日如来から出生するとされます。
つまり一切のものは大日如来に胎蔵されるのであり(胎蔵界)
又一切のものは大日如来の「何ものにも侵されない
堅固な智の顕現でもある」(金剛界)とも考えられます。
全てのものが大日如来によって生じるのなら
全てのものが大日如来に含まれるのなら
全てのものが大日如来なのです。
我ら衆生の内なる本体に大日如来様が居られるのです。
待つことはない 既に宿りたる内なる大日如来様を感じることです。
我ら衆生の一人一人が大日如来様を喚起することです。
光明に満ち溢れる未来を心に念じることが大事です。
真言 金剛界:オン バサラダトバン
胎蔵界:オン アビラウンケン
(Wikipedia参照)
仏画 『大日如来像』 松井辰子先生謹筆