

勇気が欲しい 揺らぎない強い意志力が欲しい
決断を迫られた時に内側から漲る自信が欲しい
勝負を前にして たじろぎを見せている
恐れおののきうろたえている
しばし逡巡して辺りを見渡しながら そっと目を瞑る
震える四肢を堪えながら思念を巡らしてみる
"何のために戦うのか? 何に向かって闘うのか?"
果たして 守るものを明らかにして
護り抜くこと衛り通すことを固く誓った時
稲妻の閃光が走り天空の彼方から
鉾(ほこ)や盾(たて)がぶつかり合う轟音と共に
凄まじい速さで 『毘沙門天様』 が降臨する
「恐れることなかれ!必勝を信じてイザ闘わん !!」
背中に大きな力を貰って 偉大な軍神の波動を受けて
さながら破れることのない武具甲冑を纏うが如く
石の飛礫(つぶて)も鑓(やり)も剣(つるぎ)も飛び交う矢も
何も怖くない 勝ち抜く信念 守り抜く決意
高鳴る胸の鼓動に武神が宿っていることを知る!
『毘沙門天様』は七福神の一尊ながら
真の姿は闘いの神 勇壮で盤石な軍神であることを知る
『毘沙門天』
梵名:ヴァイシュラヴァナ
ヒンズー教では『クベーラ』と呼ばれていて
元はインド神話の財宝神クベーラを前身としています。
佛教における天部の仏で、持国天・増長天・広目天と共に
四天王の一尊に数えられる武神です。
ヴァイシュラヴァナは「よく聞く所の者」という意味にも
解釈できるため『多聞天』 とも訳されます。
日本では、四天王の一尊として造像安置する場合は「多聞天」
独尊像として造像安置する場合は「毘沙門天」と呼ぶのが通例です。
三昧耶形は宝棒(仏敵を打ち据える護法の棍棒)を右手に
宝塔を左手に持ちます。闘いに臨む凛々しい面貌、頼もしい限りです。
インドでは財宝神とされ、戦闘的イメージはありません。
中央アジアを経て中国に伝わる過程で武神としての信仰が生まれ
四天王の一尊たる武神・守護神とされるようになりました。
密教においては十二天の一尊で北方を守護しています。
七福神の一尊として日本独自に信仰され
特に勝負事に利ありと崇められています。
功徳:勇気・自信・決断を与え、自らを悩ます
愚かな魔を取り除いて下さいます。
財福を授け、武神として戦闘の神、必勝の神です。
吉祥天を妻として、千手観音の脇侍や
十一面観音の脇侍を勤めてもいます。
収蔵:清水寺(十一面観音脇侍)
鞍馬寺(毘沙門天三尊像
広隆寺(毘沙門天立像・木像多聞天立像)
真言: ナウマク サマンダボダナン ベイシラマンダヤ ソワカ
(Wikipedia参照)
仏画 『毘沙門天像』 松井辰子先生謹筆