

揺れ動く心 迷い込んで悩み込んで
出した答えの通りに生きることが出来ない
出した答えが間違いなのか
信念を持てない自分が間違いなのか
思念が渦を巻く グルグル回りながら
いつまでも何処までも堂々巡り
決意したのに 決心したのに
どうしたらいいのだろう
揺らぐ心をどう正したらいいのだろう
思考と行動の座標がぶれないよう
不動の心が欲しい 弱い心 脆い心
欲も邪心も煩悩も ありとあらゆる思いが
絡み合って連動して「負のスパイラル」を作っている
信念は揺らがぬよう縛りつけたい
邪魔な観念は断ち切ってしまいたい
紅蓮の炎のような 燃える熱情が欲しい
一念発起 こんな時には『御不動様』 の加護が欲しい
忿怒の形相で睨みつけられ 叱咤され一喝されるのがいい
そんな時 轟々と響きわたる太鼓の連打する音がして
灼熱の太陽の光とともに
『大日如来』の化身 である不動明王が降臨する
明王の睨み据えるものは我のみに非ず
混迷を極めた世情への憂い
社会が何処を目指して進み往くのか
究極は魔に取り憑かれた者達が操る
世界が破滅へと向かって蠢いているさまを
憂い怒り哀しんで降りて来られるのだ
『不動明王』
梵名:アチャラ・ナータ
密教の根本尊である大日如来の化身、或いは
その内証(内心の決意)を表現したものと見なされています。
アチャラ:動かない 動じない ナータ:守護者
全体として「揺るぎなき守護者」
大日如来の教令輪身として、仏法に従わない者達を
恐ろしげな姿で脅し教え諭して、
仏法に敵対する事を力ずくでやめさせるのが使命です。
外道に進もうとする者はしょっ引いて正道に戻すという
極めて積極的な介入を行う姿です。
不動明王は、人間界と仏界を隔てる天界の
「火生三昧」と呼ばれる炎の世界に住して居られます。
人間界の煩悩や欲望が天界に波及しないよう
烈火で焼き尽くす世界です。
お姿は目を怒らせ、右手に宝剣を持ち左手に縄を持っています。
剣は「利剣」と言い、正しい佛教の智慧で、
迷いや邪悪な心を断ち切る事を現しており
左手の縄を「羂索」(けんさく)と言い
悪い心を縛りつけ善心を起こさせる事を現します。
背中の炎は伽楼羅焔(カルラえん)と言います。
カルラは毒を持つ動物を食べる伝説上の鳥の名前です。
足下の岩は盤石(ばんじゃく)と言って、堅く大きな石で
迷いのない安定した心を現しています。
真言:小受(しょうじゅ)ノウマク サンマンダ バザラダンカン
(Wikipedia参照)
仏画 『不動明王像』 松井辰子先生謹筆