 明かりが煌めくほどに 寂しさを醸す 整然とした人工的な街 冷たい床の上を 人が歩いて はじめて温もりが生まれる 人待ちの顔をした街は 美しい横顔を見せながら 入って来る人を 溶け込んでくる人を 待ち続けている 渋谷駅の近く
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 何処に行き着くのか 真っ直ぐの通路なのに まるで迷路に入りこんだような 行く手を遮るような閉塞感に襲われ 思わず走り出している すぐに出口が見えてきたけれど 心の迷路から抜け出せない そんなもどかしさに 逡巡している 春の宵の迷い道
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 遠くからも よく見える明かり 普段は気に止める事もない 慌ただしく通り過ぎる道路に佇む でも ふと目をやれば 闇を照らすだけでなく 美しいフォルムを醸している 気付きの喜び 街に溢れる造形の数々 そんな視座を持つと いろんなものに出会う筈 探索してみよう 工事中の標識灯
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 鮮やかに花達の賑わい 花の中から春の足音が聞こえてくる 芽吹きの声が伝わってくる 生命の鼓動が生き生きと響いている 青空に染まるように 小鳥達が飛び 草地は一面の花畑になる あなたの胸に春が芽生えた時 それは 華やぐ未来への第一歩
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 優しさを間違えていないだろうか 時には断ち切ることも必要なのに 情が絡んで引き摺ってしまう 優柔不断な心で 決められない そんなことはないだろうか? 身体に纏わりつかれて 蔦の蔓(つる)にがんじからめにされて 身動きすることも出来ず 心の自由すらも失った挙句に 自分がその種を蒔いていることに気付かず 誰かのせいにしてしまう 求められてもいないのに 自分の一方的な気持ちだけで 優しく思いやっている 情をかけている そんなつもりでいても 相手にそう受け取って貰えないこともある 迷うかもしれない 辛いことかもしれない でも 時には断ち切ることが 自分の身を救い 相手への優しさにもなる 相手が真から求めて来て 自分が心の底から応えたいときは 精一杯の思いと優しさを注いで欲しい でも 自分の身が危うくなりそうなときや 息苦しくなって胸が詰まりそうなら 思い切って 断ち切った方がいい 鋏と言葉は 使いようだから・・・
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 いつまでも いつまでも こうしていたい 甘えていたい 母さんの胸の温もりを体中に感じて・・・ でも 時はすぐにも過ぎて 君達も あっという間に大人になっていく だから この空間がとても輝いているのだよ 大きくなって 貰う愛から 与える愛に変わっていく だから この温もりを決して忘れないで 心に熱を保って いつか 君達の温もりを求める者達のために
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 春の香りを連れて桜餅 花見を先取りして 少し早めのさくらを楽しむ 陽春の香りが口中に溢れる 花より団子とばかり 桜餅で春爛漫を満喫する ご馳走さまでした 桜の春に生まれたお客様 それで『サクラコちゃん』と命名 素晴らしい春になりますよう 心浮き立つ花見が出来ますよう・・・
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 待ち続けて 待ち続けて 首が長くなるほど 遠くを見つめて 何かがやって来る 誰かがやって来る そんな思いで いつまでも佇んで・・・ でも 待っていても 何も起こらないし 誰かが来てくれることもない 夜が訪れ 朝が来て 時がいたずらに過ぎて行き 年老いてしまう前に 君は長い脚もあり 走れば凄い速さで駆け抜けていけるのだから 待ってばかりいても いけない 草原の遥か向こうまで 行ってみたらいい 走ってみたらいい 何かがある きっと何かが起きる だから じっとしていないで・・・
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 セピアカラーの時代 でも 思い出の箱をそっと開けて 中から取り出してみれば 色鮮やかな 時空がたちまち戻って来る 幼な子達の夢を乗せて 希望を乗せて 颯爽と風を切って走る車 部屋中を何キロ走ったことだろう 懐かしい風が吹き あの頃の香りが漂い 思い出の数々の場面が走り出している いつまでも いつまでも・・・ 無公害車・木製の手作りのオープンカー かれこれ二十年前に製作
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 活ける時の思いを投影して 花姿は如何ようにも変化する 三月卯の月を迎え 野を走るウサギのように 勢いづいてみたいもの そんな心を写し返してくれた花姿 ありがとう 明日も晴れる
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