観相学大家・中村文聡翁(康秀編)
唇の色について。
唇の色が青白くて、あまり赤味のさしていない人は、特に婦人に多く、貧血症である。活力に欠け愛情も希薄になりやすい。性的にも淡白だったり、未発達の傾向で充分な満足を得る事が出来ない。
唇の色がどす黒い感じの人は、好んで肉食をする人に多い。好戦的で情熱的ではあるが、感情的激発もあり、問題行動も起こす人である。野菜食を多く取る人の唇の色はきれいであり情緒も安定している。
紅色の唇の人は、愛情に対して積極的である。昔から芸者や酌婦は唇に紅をつけ目尻、耳朶にも少しあしらうが、非常に魅惑的になる。これは人相の重要部位であり、人が情欲を感じる時には必ず耳朶が赤くなるし、恋愛で心が燃える時には目尻が赤くなる。唇もポッテリとふくらみ赤味を増すのである。口、目尻、耳朶は官能サインである。もし、唇が赤くなく、耳朶だけが赤い場合は、発熱している証拠である。風邪で熱のある時には耳だけが赤くなっている。恋愛か、ただの病気かは気をつけて見れば解るものである。
唇について
唇の薄い人はおしゃべりである。井戸端会議の議長格である。ペラペラとまくし立てるようによくしゃべるのである。
唇の厚い女性は、見たところはあまり美しいとは言えないが、愛情豊かで包容力があり、面倒見が良い人である。
上唇が厚すぎる人は、愛情的に多少変質的である。上唇は与える愛情と言われ、こんな人は愛情過多であったり、奉仕型も度を過ぎてマゾ傾向を帯びたりする。逆に下唇が厚すぎる人は、受ける愛情が強い事になり、我儘な求愛行動となったり、性的にはサド傾向を帯びたりする。
上唇がまくれ上がっている人は、子縁が薄く、又物質運にも充分恵まれない。
火吹き口(尖って前に出る唇)の人は、運勢的にも不幸で金持ちにはなれない。見るからに貧乏臭くセコイ印象であり、こせこせして落ち着きも無く愚痴っぽい人が多い。
唇を強く結んだ人は、緊張した状態を続けている事になり、生活も張り詰めたものになっている。決して幸福という訳にいかない。我慢が顔に出ている印象で、寡黙な人が多い。話し出しても堅くきつい言葉になりやすい。境遇が変われば唇もゆったり弛緩して和気を醸してくる。
受け口の人は交際すると親切ではあるが、必ず何処かに自己主義的な考えを持っている。自分一家の幸せだけを願う人が多い。
唇に黒子のある人は、食べ物に執着が強い。貧乏していて家族が困っていても、自分ひとりは日々贅沢な食事をする。食道楽であり、何処においしいものがあるかを良く知っている人である。
海角(口の端)がただれている時には、胃腸障害を起こした時で子供に多いが、食べ物に注意すれば治る。
への字口の人は、不運であり、絶えず不平不満が多く、周囲からも敬遠される人である。しかし、力のある時は成功する事もある。
海角が垂れ下がっている人は、左右に関わらず人からの恨みを買う人である。いかにまじめな顔をしていても行いや心情に残酷な所があったりする。 海角の右が垂れ下がっている男性は、女性からの恨みを買っている。左ならば男性からの恨みである。女性の場合は、これと全く反対であり、右が下がれば男性から、左が下がれば女性からの恨みを買っていると判断するのである。
唇に縦筋の多く入る人は、歓待紋といってサービス精神旺盛で人に尽くし、世話好きで、料理をもてなしたりする事を好む人である。
どういう唇の形が良いのかというと、上唇よりも、下唇のほうが比較的厚いのが良い。また白紙三枚をくわえて落ちない程度に軽く結んだくらいが良い。海角は上がり気味で微笑んでいるように見えるものが良い。
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