自分自身が何処まで解っているか?
様々な人生への希望があるが、その希望や願望が自らの深い思いから発しているのか、或いは単なる思いつきの願い事なのかで、達成領域が定まってくる。さらに、願う事が自分の本来持っている資質や天分、許容半径にあるかどうかも問題となる。
よくあるケースは、願う展望自体を充分知らない事である。あんな職業、こんな仕事とこれからの社会参加の方向付けをする時に、当てずっぽうで選ぶ人が多いものである。
ある青年が問う。 「僕は野球が大好きで、ほかにもサッカーとか、いろいろスポーツには、詳しいんです。それに、書く事も好きだから、将来はスポーツライターになろうと思うんです。小説家もいいですね」とか・・・
「私は、イラストを書くのが好きだから、やっぱりデザイン関係かな。漫画家になってもいいです。それに、ADっていうのもかっこいいですよね」などなど。ADとは、アシスタントディレクターの事を言ってるのだろう。
又、ある青年は、「僕は神社に行くと心が洗われるんです。いつも近所の八幡様に行って、すがすがしい気持ちになります。だから、将来は絶対神主になりたいです」と真顔で言う。
ヘアーメイク、デザイナー、イラストレーター、ライター、などなど横文字の仕事は響きが良く、希望職種になり易いものだが、実の所、中身について把握している事が滅多に無い。ADもしかり、実際は製作現場の下働きで雑用専門の小間使いなのだが、字面がちょっとかっこよく感じるのだろう。
職業については、相応の知識を広げ、現実のあり様を検索して選ぶべきである。例えば、建築の仕事も設計から、施工、内装、付帯設備工事に至るまで様々な工程別の職種があるわけで、それぞれに細分化したジャンルがあるのである。デザインの仕事も多種多様なメニューがあり、専門知識も方向性によって大きく枝分かれするのである。
希望があればまだしも上等であり、何をどうしたいのかもサッパリという人たちも多い。「面倒だから占いで決めちまえ!」という若者もいる。今の時代は、生きるための糧を得る事で職業選択をしなくて済む恵まれた環境にあり、その分、イメージ的に将来展望を作るのである。
自分がどう生きたいのか、どうなりたいのか、どんな存在領域が欲しいのか、といった方向付けをした上で、選ぶ人生の道筋に職業選択を置くのが、無駄の無い方法である。と同時にその仕事の中身を調査する事である。社会的な立場、存在理由がその人の人生の基盤となり、幸不幸の分かれ道にもなるからである。
「私の願いは幸せになることでーす」と言った所で、闇雲に幸せになれる話も無いのだから、まずは、きちんと社会参加の仕方を考えることである。
ある女性が、医者や医療関係者と結婚する事を希望してナースになり、見事医者を落とした成功物語を語ってくれたが、実にあっぱれである。希望成就の綿密な人生計画である。アハハ
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