色心不二・心と体は一体不離
思考や感情がもつれる時には、平常の神経レベルが損なわれている事を必ず確認すべきである。運気レベルもあるが、体に変調をきたしている場合には、思考も混濁したり、物事への充分な把握が出来ないカオス状態になっているからである。心が暗くなったり、取り巻く情況に興味が無くなったり、感情が奇妙な渦巻き現象を見せる時には、まずは、身体機能の完不全を計るべきである。
たとえば更年期性の鬱屈した心理構造も、運気レベルや人生曲線の基盤変化による宿命構造と理解し始めると、なお一層苦悩が深まり、究極は絶望感に打ちひしがれる事となる。無論更年期こそは、人生上の変化プロセスであり、運命構造の経過プログラムには違いない。しかし、身体機能の低下による思考混濁については、打つ手もあるわけで、日常の健康管理や身体機能低下の把握と対症療法の検索に努めることが大事である。食物の摂取、運動量、睡眠情況、疲労度のチェックをする事で自分の肉体細胞のあり様が解れば、その対処法も次第に見えてくるはずである。
頭も身の内なのであって、思考も肉体から離れることはないのである。肉体の衰微は、心のほころびとなり、思考が暗やんで最後は悲痛な自己否定、人生の絶命感につながっていくのである。
最近は若年性の更年期も叫ばれ、食生活や日々の不健康な生活から、著しい身体機能低下の人口が増加傾向にあり、その人生観も同様に暗いものである。又、人生を投げてしまう不毛な境涯に閉じこもり、生きながら死する若者達も増えている。
心も体も共に健康でなければ、明日の希望も潰えてしまうのである。病んだ時こそ、写し出す心象風景に対しては自ら疑問符を持つことが必要であり、心もさることながら身体関係への改善アプローチが必要なのである。
身体機能が充分に果たされているか? 体が機能不全に陥るような日常にいないかどうか? 意味不明のマイナス感情にある時には、一度自分の生活状況を振り返ってみる事である。不摂生こそが、暗い未来ビジョンにつながる事を知るべきである。もし更年期ならば、相応に覚悟して身体管理に当たるべきである。マイナス感情に拘泥して落胆する事だけは避けていくべきである。
かつて、私も男にも訪れる更年期を迎え、ひどく落胆したり、人嫌いになったり、明日への希望が潰えてしまって、茫然自失の境涯に陥った事がある。全てが空しいと感じ、何も出来ない自分を恥じ、死にたくもなったものである。考えれば、これも更年期に差し掛かった肉体年齢から来る衰微の兆候であったのである。心もほころんでしまったのである。今は次の時代状況を認識できるレベルに到着して、安心立命の境地となり、美老庵の庵主として、美しい老境に入る覚悟が出来た事を実感しているのである。 「色心不二」色とは現象界であり、肉体を表す。すなわち、心と体は一体不離なのである。どちらも大事にしていかなければならない。
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